異業種に学ぶ人材採用と育成方法|コロナ禍を乗り越えた事例をご紹介

 

異業種に学ぶ人材採用と育成方法|コロナ禍を乗り越えた事例をご紹介

2023/6/27

担当 / 取締役 中村 文男    

   

 

2020年4月からの新型コロナウィルス感染症拡大における緊急事態宣言以降、美容業界だけではなく飲食業や観光業も大きな打撃を受けています。

この逆境をどの様に乗り越え、人材の採用と育成をし、今後どこに向かうのかを経営者の方に伺いました。

異業種の事例を美容業界でも生かせるのではないでしょうか。

 

目次------------
(1)売上前年比3%で飲食業倒産の危機
(2)売上前年比10%の観光業
(3)コロナ禍で大躍進の整骨院
(4)まとめ
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(1)売上前年比3%で飲食業倒産の危機


九州福岡県福岡市のビジネス街で居酒屋を経営しておられるT社長に、話を伺いました。

2020年4月に緊急事態宣言が発せられて、売上が前年対比3%まで落ち込んだ。

周囲のお店の殆どが、外国人労働者→アルバイト→パートタイマー→正規社員の順番でリストラをしていた。

しかしT社長は、一人もリストラすることなく、テイクアウト事業や国からの補助金などを活用して、何とか乗り切った。

今日中に2,500万円を用意できないと会社が存続できない!という危機の時に、「経営姿勢を見たメインではない銀行が融資を決めてくれて助かった!正に綱渡りでした!」

昨年から人の流れも活発になり忙しくなっている。リストラをした多くの店がスタッフ採用をできず苦しんでいる中、T社長のお店ではスタッフ採用に全く問題がない。

5月8日から5類感染症に移行になり、益々忙しくなったそうです。苦しい時に一緒に乗り越えたスタッフが頑張ってくれているので、感謝していると笑顔で語っておられました。

 

(2)売上前年比10%の観光業

画像引用:https://www.amitatsu.jp/

東京で屋形船観光を手掛けるN社長も、緊急事態宣言の後は前年対比10%まで売上が落ち込み大変でした。

やはりリストラすることなく、補助金などを活用して何とか乗り切っています。

昨年からはお客様も戻ってきて今年5月の決算では4年ぶりに黒字に。「夢にまで見ていた決算賞与を全員に支給できた」と喜んでおられました。

さらに今年は、隅田川の花火が3年ぶりに規制なく開催されるので、6雙の屋形船全ての予約が完売しているなど、昨年の2倍の業績が見込まれているそうです。

 

(3)コロナ禍で大躍進の整骨院

埼玉県を中心に躍進を続ける整骨院さんのAマネージャーに人材採用と育成について伺いました。

コロナ禍で、優秀な人材を採用できる環境になり、昨年は45人の新卒スタッフを採用。今年は採用基準を更に上げて35人を採用。

Aマネージャーは全国を採用のために駆け回っています。数百人に学生さんに面談するとき、どんな人にも30分以上自分や会社の理念などを伝えておられるそうです。

新卒の方は1ヶ月にJr技術者としてデビューできる教育プログラムをになっていて、5月からは売上に貢献できる仕組みが作られています。

また、社内、社外研修を積極的に取り入れて、2~3年で店長を任せられる人材が育つ仕組みもあります。

コロナ禍で健康に不安を覚えた人達が、これまで以上に来店されるようになりました。

コロナ禍でテナントが割安になっている事と、採用と育成が順調に進んでいるため、8年前2店舗だったのが、現在34店舗に拡大しました。

32歳のマネージャーは現在6店舗の担当を持っていますが、48ヶ月間連続して目標を達成しているそう。やるべきことをすれば必ず目標達成できる仕組みができているのです。

 

(4)まとめ

飲食業や観光業は、3年間に及ぶコロナ禍で大きな打撃を受け、閉店や規模縮小をされる会社が多く見られます。

危機的な状況でも、あらゆる手段を用いて雇用を継続してきた会社が、需要が復活した現在、周囲の人手不足を横目に大いに躍進の時を迎えています

整骨院さんの事例は正にピンチをチャンスに捉える好例です。

美容業界においては、この3年間の影響は、飲食業や観光業ほど大きなマイナスには繋がっていません。しかし整骨院さんのように、採用と育成を仕組み化し、これからの好況の波に乗ることが大切なことではないでしょうか。

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