美容室の未来戦略: 今後10年で成功を収めるためのガイド

 

2023/11/9

担当 / 取締役 佐々木 誠

美容業界は常に進化を遂げており、美容室オーナーとして成功を収めるためには、変化への適応が欠かせません。

テクノロジーの進展、消費者の意識の変化、そして競争の激化が見込まれる今後10年間で、美容室が生き残るためにはどのような戦略が有効かを探ります。

目次------------
(1) 業界動向と将来予測
(2) スタッフ管理と教育の進化
(3) 顧客体験向上の戦略
(4) まとめ

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(1)業界動向と将来予測

美容業界は絶えず変化しています。この業界で成功し続けるためには、現在はもちろん将来のトレンドを理解し先読みすることが求められます。

美容室オーナーが把握しておくべき主要な業界動向と将来の予測について詳しく見ていきましょう。

 

美容室が1年以内に廃業する率

現在のサロン業界は、新規参入者にとっては厳しい戦場です。

新規開業したサロンのうち、実に50〜60%が開業からわずか1年以内に店をたたむというデータがあります。これは、多くの起業家にとっても厳しい実態を示しています。

生き残りを賭けた戦いは、初年度を越えても続きます。

開業後3年を迎える頃には約90%のサロンが市場から撤退し、開業10年の大台を越えた時点では95%がその夢を諦めています。

例えば、新規オープンした100軒のサロンがあれば、その10年後にはたった5軒しか残っていないという計算です。

10年の節目を迎えたとしても、その後も安定した経営を保証されているわけではありません。

実際には、20年以上継続して営業しているサロンは極めて稀で、総数のわずか0.3%に過ぎないという統計があります。

つまり、1,000のサロンが存在するならば、その中で20年以上経営を続けているのは3軒のみという、非常に低い生存率です。

年間で3,000以上の新規サロンが誕生していると考えれば、20年を超えて繁栄を続けるサロンは、ほんの一握りであることが明白です。

このようなペースでサロン数が増加すれば、市場の競争はさらに厳しさを増し、長期にわたる安定した経営は更に達成が難しくなることでしょう。

生存率の低さは、サロン経営の難しさを物語っていると言えるのです。

 

日本の美容室規模の特徴

美容業界は、チェーン展開していない小規模なサロンが大多数を占めています。

個人経営の美容室は比較的小さなスペースに、数台のセット面と数名の美容師がいるのが一般的です。

特に住宅街に位置する美容室の場合、利用可能なスペースが限られているため小さな店舗が主流となっています。

小規模な運営では、光熱費や人件費などの固定費を抑えることができる反面、一日に対応可能な顧客数には限界があるでしょう。

パーマやカラーなどの時間を要する高額サービスを提供しても、時間当たりの収益性が必ずしも高いわけではありません。さらには薬剤費などの変動費も発生します。

立地条件が良く人通りの多いエリアにサロンを設けると、家賃の面でコストが上昇します。

安定した顧客流入があれば問題ありませんが、もし集客に波があれば、その影響はすぐに経営に響く可能性があります。

 

進む価格の二極化

国内の美容室は26万4223軒(2023年1月19日時点)という飽和状態で、サロン間の競争は日に日に厳しさを増しています。

新たな美容室がこのペースで増え続けるとは限りませんが、顧客の注目を集め、選ばれるサロンになるためには差別化が不可欠です。

消費者の傾向を見ると、ファッションの世界で見られるファストファッションとハイエンドブランドの二極化と同様に、美容業界でも明確な分野での特化が求められています。

エクストラメニューの提供などにより平均客単価を上げるプレミアムサービスを提供するサロンがある一方で、高い回転率と効率的なオペレーションでコストパフォーマンスを重視する低コスト美容室が存在しています。

これからの美容師は、どちらの方向性でサロンを構築するかという重要な選択を迫られることになるでしょう。

 

高齢者層に向けたサービスが拡大

現在、日本の人口の約四分の一が65歳を超える高齢者です。

社会の構造が変わる中で、若者中心のサービス提供から、成熟した年代のニーズを満たす方向へシフトすることが求められます。

これからのヘアサロンでは、白髪染めが一般的な施術となり、薄毛に対する特化したケアがスタンダードになることでしょう。

加齢とともに「美容」よりも「健康」への意識が高まる傾向があり、これに応えるためには美容師も健康やアンチエイジングに関する深い知識が必要になります。

介護が必要な個人宅や医療・福祉施設へ出向き、美容サービスを提供する福祉美容師への需要も今後ますます増加するでしょう。

美容業界では、青春に向けたサービスから、高齢者のライフステージに適応したサービスへと、美容師に期待される役割が大きく変化していくのです。


(2)スタッフ管理と教育の進化

美容業界で成功を収めるためには、スタッフ管理と教育が鍵となります。

最新の技術やトレンドに精通しているだけでなく、顧客サービスが高いレベルで提供されていることが重要です。

効果的なスタッフ管理と教育のための戦略について解説します。

 

スキルアップと継続的な学習

美容室の成功の鍵は、他のどんな要素よりも技術力の高さにかかっています。

顧客が求めるヘアスタイルを実現できる技術、さまざまな髪の悩みに対する解決策を提供できる能力が不可欠です。

例えば、くせ毛を扱いやすくスタイリングできるカットや、時間が経過しても形を保つパーマなど、高度な技術を持つ美容師は顧客にとって価値があるでしょう。

理想とするヘアスタイルの例をお客様が提示しても、それを実現することができなければリピートに繋がることはありません。

美容師ひとりひとりが高い専門性と学ぶ意欲を持続させること、そしてサロン経営者がそのような環境を整え、モチベーションを支えることも同様に重要となります。

そのためにも定期的な研修やワークショップの開催が効果的です。

オンライン教育プラットフォームを活用すれば、忙しいスケジュールの中でも学習の機会を提供できます。

さらに、業界のセミナーや美容展示会への参加を奨励し、スタッフが最新情報をキャッチアップできるように促すことも重要です。

 

スタッフのウェルビーイング

スタッフのウェルビーイング(※肉体的にも、精神的にも、社会的にもすべてが満たされた状態)、つまり心身の健康は、モチベーションを高く保つ上で不可欠です。

メンタルヘルスのサポート、ストレス管理のトレーニング、適切な休暇の提供などによって、スタッフが健康でバランスの取れたワークライフを送れるように努めます。

職場内での健康的な食事の提供や運動の機会を提供することも有効です。

 

チームワークの促進

個々のスキル向上だけでなく、チームとしての協調性や一体感を育むことも成功への道です。

定期的なチームビルディング活動やコミュニケーションスキルのトレーニングを通じて、スタッフ間の相互理解と協力を深めます。

良好な職場環境は、スタッフの士気を高め、顧客へのサービス品質向上に直結します。

 

リーダーシップの育成

スタッフが自らの役割を主体的に担うためには、リーダーシップの育成が欠かせません。優れたリーダーは、チームをまとめ、目標に向けて導くことができます。

そのためには、マネジメントスキルのトレーニングを提供すると同時に、リーダーシップを発揮する機会を与えることも重要です。

 

(3)顧客体験向上の戦略

美容業界において、単にサービスを提供するだけでは顧客を繋ぎとめることはできません。美容室における顧客体験の質が、そのサロンの成功を左右します。

顧客が一度足を運んだら、再び訪れたくなるような体験を提供することが必須です。

顧客体験を向上させるための戦略を解説します。

 

サービスのパーソナライゼーション

お客様を大切にするため、お客様の一つ一つの要望に耳を傾け、以前好評だったスタイルをデータベースに保存し、次回訪問時にはその好みに基づいた提案をします。

例えば、お客様が気に入ったカットスタイルやカラーを記録し、その情報をもとにそのお客様に最適なヘアスタイリングを提供します。

季節の変わり目や特別なイベントに合わせて、お客様のスタイルを更新することで、生活に溶け込む美容のサポートを実現します。

お客様が自宅でスタイリングする際にも役立つケアのアドバイスをし、満足していただけるようなサービスの提供を目指します。

 

デジタルを活用する

今や美容室の予約や管理においてもデジタルの活用は欠かせません。

オンラインで簡単に予約ができるシステムを導入し、予約の変更やキャンセルもいつでも可能です。

お客様に最新のトレンドやお得な情報をリアルタイムでお届けするため、インスタグラムやFacebookでスタイルのアイデアを共有しています。

さらに、美容室ではタブレットを用いて施術前のカウンセリングを行い、お客様それぞれのニーズに合わせたビジュアルを提示することで、施術内容の理解を深め、より満足度の高い体験を提供します。

 

心地よい空間の提供

サロン内の雰囲気は、お客様にとって美容室がただ髪を切る場所ではなく、リフレッシュできる空間であることが大切です。

照明、音楽、家具の配置に至るまで、細部にわたって注意を払い、落ち着いた空間を作り出すことが望ましいでしょう。

清潔で整頓された環境は、お客様が安心して施術を受けられる基本でもあります。

 

アフターケアと関係性の構築

サービスは施術が終わった後も続きます。アフターケアを重視し、施術後のヘアケアや次回のメンテナンスについてのアドバイスを欠かしてはいけません。

お客様からのフィードバックを受け、サービスの向上に努めることで、お客様が常に満足できるサロンであり続けることを目指します。

お客様の誕生日や記念日には小さなプレゼントや特別なケアを提供して、喜びを分かち合うのも良いでしょう。

サロンとお客様との関係は、単なるビジネスではなく心からのつながりを大切にするべきなのです。

 

(4)まとめ

美容室の将来を切り拓くには、時代の流れを読み、顧客中心のサービスを追求する戦略が必要です。

生き残りをかけた選択は、低価格か高付加価値の提供へと二分され、スタッフの教育やウェルビーイングも重視すべき点です。

顧客が繰り返し訪れる快適な空間作りと継続的な関係構築も成功の鍵となります。

これらの要素を融合し、戦略的に展開することで、美容室は市場での存在感を高めて長期的な成功を実現するでしょう。

未来の美容室はただの「髪を切る場」ではなく、「心を豊かにする場所」となるべく、今日からその礎を築くべきなのです。

変化を恐れず、常に学び、成長し続けることで美容室の未来は明るく切り開かれていくはずです。

そうした美容室の課題を解決させるために必要なのは「教育」と考えています。

レボルでは様々な立場の方に合わせた各種セミナーをご用意しております。

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