3・11と新型コロナウィルスの、美容業界における共通点と相違点

担当 / 取締役 中村 文男  

2011年3月11日の東北大震災から9年になります。今回の新型コロナウィルスにより、記念式典も中止になりましたが、美容業界におけるこの二つの共通点と相違点を書きます。

 

■ 3.11の美容室への影響

 
3・11後、テレビでは連日地震による被災状況や津波による被害、福島原発の問題が取り上げられていました。また、テレビCMをスポンサー企業が自粛したため、ACジャパンのCMが繰り返し流され、全体の86%だったというデータがあります。
 
さらに、弊社のある埼玉県などでは、3月14日から東京電力による計画停電が実施されました。交通機関なども不規則に運行を停止するなど、経済活動はマヒしていました。
 
自粛ムードもあり、旅行や買い物や美容室に行く人も極端に減りました。弊社直営店のある埼玉県川口市では、美容室の殆どは売上が50%以下に落ち込んだそうです。
 
そのような状況の中、弊社直営店のコモドとプレスト川口店は、計画停電が予約とバッティングする時は、電話で前後への変更をお願いしました。また、自粛ムードで来店を控えているお客様には、カラー会員さんを中心に、電話でのお誘いを行いました。
 
それらの努力により、コモドとプレスト川口店の3月の前年対比売上は、-8%に留めることができました。
これは、旅行や生活必需品以外の買い物は自粛できますが、髪の毛は毎月1センチ~1・5センチ伸びるため、スタイルが崩れてきます。特に白髪の方で、毎月染めていた方でオシャレに関心の高い方は、お誘いの電話を貰うことで、自粛よりも来店を選択されるわけです。
 

 

■ 新型コロナの共通点と相違点

 
3月15日現在、今回の新型コロナウィルスは、WHOからパンデミックが宣言され、アメリカ合衆国では非常事態を宣言されました。日本では緊急事態宣言は出てはいないものの、この新型コロナウィルスに関する新しい法律が改正されました。
 
学校の休校や集会、イベントなどの中止が続いており、終息の予測が付きません。テレビでも連日新型コロナウィルスに関するニュースが流れない日は無く、自粛ムードが広がっています。
 
先日、ディーラーさんに聞いた話ですが、美容室に訪問の電話をした所、『この地域に新型コロナウィルスの患者が発見されたため、お客様のキャンセルが相次ぎ仕事にならない。材料が減らないので、今回は来なくてよい!』と言われたそうです。
 
美容業界において、3・11後と今回の共通している点は、実害は出ていない(少ない)けれど、風評被害や自粛ムードで売上が落ち込んでいる点です。
 
そして相違点は新型コロナウィルスの実態が未だ解明されておらず、ワクチンや特効薬が開発途中である事です。
 

 

■ この難局をいかに乗り切るか

 
1、スタッフのマスク使用や手洗い、店内のアルコール消毒などを徹底し、お客様に安心して来店して頂く。
 
2、カラー会員様を中心にオシャレの提案などで、来店を呼び掛ける。
 
3、次回予約をこれまで通り提案し、キャンセルがあった時は、カラー会員様で来店時期にある方を予めリストアップして置き、電話で来店のお誘いをする。
 
4、スタッフは明るく元気な接客は基より、サロン店内での話題を、オシャレやポジティブな提案をするように心掛ける。
 
5、この時期だからこそ、ポスティングやDMやメニューの見直し、POPの作成など、集客や単価アップの行動をする。
 

 
どんな豪雨でも、降り止まない雨はありません。
厳寒で寒さに震える時でも、必ず春は来ます。
 
未だ新型コロナウィルスの終息は見えませんが、美容業界においては、髪の毛は毎日伸びますし、白髪は気になります。今出来ることに専念して、美容室から元気を発信して参りましょう。