投稿日:2021/12/15 更新日:2022/6/1
担当 / 代表取締役 平井 伸幸
2022年2月アルテホールディングスがMBO(経営陣による自社株取得)を実施すると発表しました。
経営モデルの転換が必要との思い切った判断ですが、背景として
特に面貸し、シェアサロンの急速な拡大
を理由として挙げています。
多くの美容室経営者が気になっている通り、面貸し・業務委託・フリーランスで働く美容師さんが増加しています。
そこで今回は美容業界にも大きな影響が出そうなインボイス制度について取り上げます。
目次------------
(1) 面貸し、業務委託、フリーランスとは?メリット・デメリットは?
(2) インボイス制度とは?
(3) 面貸し美容師へのインボイス制度の影響
(4) 業務委託サロンの選択肢は
(5) まとめと経営者向けセミナーのお知らせ
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(1)面貸し、業務委託、フリーランスとは?メリット・デメリットは?
「面貸し」「業務委託」「フリーランス」「シェアサロン」がここ数年で一気に増えました。しかし何が違うのかわかりづらい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「面貸し」「シェアサロン」
フリーランスの美容師がサロンの鏡一面、またはひとつのスペースを間借りして、自分の責任判断のもと自身のお客様にサービスを提供します。
集客、材料仕入れ、メニュー設定、掃除や備品の用意すべてスタイリストが決めます。
「業務委託」
見た目は社員とほとんど一緒です。多くの場合サロンの運営方式が決まっており、決められた業務を委託されて労働を提供するものです。経営上・労務上の理由で社員雇用ではなく、業務委託の形式をとっています。
「フリーランス」
個人事業主として独立して働くことです。「面貸し」「シェアサロン」「業務委託」もフリーランスの中のひとつと言えます
報酬体系もやればやった分もらえる
人間関係がわずらわしい
という理由などで、この働き方を選ぶ方が増えています。
しかし一方、デメリットとして、
▲仕入れ等の業務が増える
▲ヘルプが使えず全て自分1人でやる必要がある
▲税処理が難しい
ということがあげられます
高額な報酬を得て成功しているスタイリストが宣伝される一方で
・歩合が魅力で面貸しを選んだが、報酬が上がらない
・材料、備品、会計、納税・・・非常に面倒、代行してもらうにもお金がかかる
・コロナで一気に報酬が下がった
という悩みを持つスタイリストも目立ちます
現実は甘くなく、成功できる人は、「自ら集客できるスタイリスト」「十分に成長し自立しているスタイリスト」であり、報酬につられて安易に面貸しを選んで失敗する人も増加しています。
さらにインボイス制度が始まることで、報酬が下がる可能性が大きくなっているのです。
(2)インボイス制度とは?
インボイス制度は2023年10月からスタートします
・適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
インボイス制度とは、
<売手側> 売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)
<買手側> 買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
興味ある方に詳細は調べてもらうとして、
何が変わるのか・・・さっぱりわかりませんね(汗)
要はどう変わるのか、具体的に解説します。
(3)面貸し美容師へのインボイス制度の影響
現在、以下の場合、消費税を納めなくて良いとなっています
- 年間売上が1000万円以下の事業者
- 年間1000万円以上でも事業開始2年間以内
この事業者を「免税事業者」といいます。
ほとんどの面貸し、業務委託で働く方は「免税事業者」のはず。サロンからの支払いでは消費税をもらって、面貸しの美容師さんが納税していないという点にメスが入ります。
面貸し美容師さんが「免税事業者」の場合、サロンがその分変わりに、消費税を納めなくてはいけなくなります(消費税の仕入れ税額の控除が受けられなくなる)
そうなると、サロンからは「消費税を納めている人としか契約しない」となりかねません。
今まで消費税込みで55万円の報酬があった人は、50万円にと10%収入が減ることになります。
※2023年から当面、猶予措置があります
(4)業務委託サロンの選択肢は
インボイス制度の登録申請が2021年10月よりはじまっているため、すでに業務委託サロンでは説明会を開いて準備に入っています。
手を打たずに時が過ぎてしまうと、前述のように業務委託サロンが美容師のかわりに消費税を納める必要が出てしまうからです。
面貸しの美容師の人数が多ければ多いほど、非常に大きなリスク。
今、業務委託サロンの経営者がとるべき選択肢は大きく3つあると思います。
詳しい内容は実践的な事例になるため、お困りのオーナー様に直接お伝えさせていただきます。
無料個別相談を行いますので、「インボイス制度への対応について」と記入しお問合せください。
(5)まとめと経営者向けWEBセミナーのお知らせ
面貸し、フリーランスは、働けなくなってしまったら一切保証はありませんが、高収入をとれる魅力があります。
サロン経営者としては、社保・残業・有給など雇用に関するコストやリスクが減るというメリットが。
しかし、2023年に大きな変化がまっていますので、働き手も経営者側も慎重に判断していくべきではないでしょうか。
レボルでは増加する面貸しサロン、シェアサロンに対抗すべく、「中小サロンが勝てる経営戦略」を直営店で実践しています。
業界が変化するタイミングはチャンスでもあります。
中小サロンは、くれぐれも大手の後追い戦略を取らないようにしてほしいと思います。
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