2021/7/28
担当 / 店舗運営部 MGR 加来 愛弓
目次------------
(1)美容師の離職理由
(2)離職を防ぐには?
(3)コミュニケーションでギャップの解消を
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(1)美容師の離職理由
美容学校を卒業して美容師として働き出した人のうち、なんと半数近くの美容師が1年以内に離職、そして8割以上の人が3年以内に離職すると言われています。私も美容学校を卒業して20年経ちますが、今も美容師を続けている人は本当に少ないです。
社会的に、昔よりも転職が当たり前の時代になったことを踏まえたうえでも、高い離職率だと言えるのではないでしょうか。
もちろん、結婚や出産が理由の離職などもありますし、離職自体がダメという訳ではありません。しかし「良いスタッフに長く勤めてもらいたい」とお考えのオーナー様が多いと思います。
美容師をやめてしまうネガティブな理由を考えます。
ネガティブな離職理由
①人間関係
②待遇面
だいたいこのどちらかではないでしょうか?
①人間関係
よほどの大規模サロンでない限り、毎日顔を合わせるスタッフが限られます。ある種、小規模サロン独特の閉鎖的な環境において、人間関係の悪化によるストレスは、かなり大きな負担になるのです。
②待遇面
・なかなか給与が上がらない
・休みが少ない
など
サロンで働き出してから3年以内、つまりアシスタント時代の美容師の給料は、正直なところかなり低い水準にあります。ただでさえ厳しい給料から、ウィッグ・シザー・コームなどの練習材料費用、研修参加費用などを捻出しなくてはいけなません。このため、1人暮らしの方はかなり切り詰めた生活を余儀なくされるのではないでしょうか。
ただ、「美容師ははじめのうちは給料が低い」ということは、大体の美容師が就職前に理解していることです。そこが1番の問題ではありません。
最も重大なことは、実際にサロンで働きだして初めて実感する、仕事のハードさと給料の見合わなさに、辞める決断に至るほどの辛さを感じるようです。同世代・異業種の友人との給料差を知り、劣等感を抱くことがあるとも考えられます。
(2)離職を防ぐには
美容師の仕事は、肉体的にも精神的にもハードですが、辞める原因としては精神的な問題が目立ちます。
美容師を辞める決断をすることは、決して悪いことではありません。考え抜いて出した答えが「美容師を辞める」ということなら、自分の決断を信じてあげるべきでしょう。
ただできれば、すぐに美容師の夢を諦めてしまう人が減り、長く活躍する人が増えるのなら、それに越したことはありません。
「美容師がすぐに辞めてしまう」というサロンは、今あるシステムに改善の余地はないのか、美容師1人1人にきちんと向き合えているのか、真剣に考え直す必要があります。
また、美容師自身も就職前・就職後のギャップがないように、入店前の面接で聞きたいことを全部聞いておく積極性が必要です。美容師として働き出した暁には、新人だからと遠慮をしてはいけません。気になることや少しでも不安に思うことを先輩に伝え、ストレスを軽減する工夫もするべきだと言えます。
スタッフから離職を言い出されると、とてもつらいです。私も何度も経験してきました。
そして、言い出された時にはすでに遅い場合がほとんどです。悩んで悩んで決めてから言い出しているから。この時点ですでに相談ではありません。
しかしその悩んでいる時には何かしらのサインが出ていると思います。そこに気づいてすぐにフォローできるかどうかは、普段からコミュニケーションがとれて信頼関係が構築されている必要があります。
(3)コミュニケーションでギャップの解消を
そもそも、採用時点で自社の理念に合った人を採用できているでしょうか?ミスマッチなこともありませんか?
お互いの認識にギャップがあるままではうまくいくはずがありません。求めている事が一致しているか、自社の理念を理解しているかなど、入社前にしっかり確認しておくことが大切です。そうすれば入社して、「こんなはずじゃなかった・・・」という事はありません。
様々な離職を経験して思う事は、スタッフと真摯に向き合い、手を尽くしたうえでの結論であれば、後悔なくスッキリしています。
それぞれの人生は自分で選択しています。
しかし、
あの時声をかけていれば・・・
もっと早く気付いてあげれたら・・・
と思う離職は防げたと思います。
美容師の日常は、目の前の事に忙殺されがちです。しかし、そんな中でもスタッフ一人ひとりと向き合う時間をしっかり確保し、コミュニケーションをとることこそが今一番重要だと感じています。
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