美容師の新人研修でおさえるべき3つのポイント

担当 / 店舗運営部 MGR 加来 愛弓  

 

今年入社した新人が7月より各店に配属になりました。3か月の研修を終えて、いよいよ現場デビューです。
美容師業界も、人材不足の悩みは深刻です。新人美容師はまさに金の卵!できるだけ早く一人前に成長してほしい、辞めずに長く働いてほしい、そんな思いはどのサロンでも共通なのではないでしょうか。
しかし、新人教育は難しいもの。うちに来る新人は覚えが悪い、すぐ辞めてしまう新人ばかり……そんな状況を打開するためには、教育方法を見直してみるといいかもしれません。

 

■ 基礎トレーニングが重要

早く「使える」人材になってほしいという思いから、入社後すぐに実務の指導を始めるサロンも多いのではないでしょうか。また、当の新人美容師本人も「一人前になりたい」いうやる気から、現場に立ちたいという気持ちが強いことでしょう。
 
しかし、まず身に着けるべきことは「あいさつ」「笑顔」「返事」「報・連・相」「整理整頓」といった接客の基礎、そして社会人としての基本です。
新人といえどもお店に立つ以上、お客様から見たらスタッフの一員。失礼な対応があればお店の評判を落としかねません。私が後輩の教育の際、常に心掛けている事は、一社会人として・人として・・・たとえレボルを辞めてもやっていけるように育てる事です。
3か月の研修中は、いろんな事を学びながらお給料をいただいています。それがどういう事なのか・・・研修も無料で受けられるわけではありません。普段はサロンに出て、売り上げを上げれるスタッフが時間をつくり、教えています。地方からのスタッフには寮も準備しています。
会社としては今の新人が将来スタイリストになって、活躍してくれることを見込んで先行投資しています。新人に限らずですが、まだ自分で売り上げを作れないスタッフは会社に属していてそこでもらうお給料はどうやって発生しているのかを伝えるべきです。
ゆとり世代」と言ってしまうのは少し乱暴ですが、「自分はこう教わった」というやり方が今の新人にとってベストな方法とは限りません。世代間の意識のずれが、思わぬトラブルを招くことも。
 

OJTという名の放任はNG

 

 
十分な研修を行わず、「現場で徐々に覚えて」という方針のサロンもあるかもしれません。しかし、突然お客様に話しかけられてアタフタしたり、何をしていいかわからず時間を持て余したり…そんなことを繰り返す日々では仕事のやりがいを感じることも、効率的に業務を覚えることもできません。
私が1年目だった時は、入社翌日にはサロンに立っていました。床の髪の毛を掃く事しかできず、1日がとても長く感じていたことを20年経った今でもつらい思い出として覚えています。
まずは、仕事の内容を事前に説明すること。未知の仕事は不安ですが、全体像が見えれば落ち着いて対応できます。対応に困ったときは誰にどう相談すればいいかも教えておくといいですね。
 

やるべきことをリスト化する

 

 
チェーン経営している大きなサロンなら、新人教育マニュアルがあるかもしれません。文字で整理して伝えることは、新人教育を効率化するポイント。
イチからマニュアルを作るのは大変ですが、「予約電話の取り方」「トイレ掃除の方法」などその日その日で覚えてほしいことを簡単なリストにして渡すことならできるかもしれません。文字で残しておけば、忘れた時でも見返すことができるので仕事を覚えるのが早くなります。
 

意味を説明する

 

 
「これ、やっておけよ!」そんな言葉では動かないのが最近の新人です。頭ごなしに指示するだけではなく、その動作にどんな意味があるのか、やらないとどんな不利益が生ずるのかひとつひとつ説明することで、仕事の意義や重みを感じ自発的に行動してくれるようになります。
まずは、お客様に接する態度、同僚とのコミュニケーションの取り方、困ったときの相談の仕方など、社会人としてのイロハを教えることが大切。実務を教えるときは、ひとつひとつの業務について十分な説明やマニュアルでの理解をしてからOJTに移行しましょう。
 


 
丁寧な研修は、時間も手間もかかります。でも遠回りしただけの成果がきっと得られるはず。親のような気持ちで、新人教育に取り組んでみてはいかがでしょうか。