美容師の「社内営業」

担当 / 営業本部 MGR 佐藤 雅也

売上の高いスタイリストほど、同じ店舗スタッフからの協力体制がつくれています。そのためには「社内営業」が重要です。

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タイトルを見て、どういうこと?と思われたでしょうが、私が仕事をする上で非常に大事なことと考えておりますし、レボルに入る前から新入社員や中途社員に口酸っぱく伝えていたことです。響きもあまりよくないですが、他に適した言葉がわからないので、この表現にしております。4月に入り、新入社員が入社されたサロン様や企業があると思いますので、私の苦い経験と合わせて述べさせていただきたいと思います。
 
では、社内営業とはなんなのか?
簡単に言いますと、お客様と対応するくらいの気持ちで上司・先輩・同期・後輩と接しましょうということです。
お客様に出来ていることですので、当然できるはずですが、なかなか出来ている人はもちろん、私も含めて多くありません。ただ、私の中では出来る、出来てないは置いといて、やらなければならないと常に思っております。
 
なぜ、私がこれを大事なことと考えているか?
仕事もそうですし、生きていく上で一人が出来ることは非常に限られています。どんな優秀なスタイリストでも一人で150万、200万を売り上げることは出来るでしょうか?答えはほぼ無理です。他のアシスタントやスタイリストが協力してくれるからその売上を上げることが出来るのです。
 
私の仕事、美容室への営業でも同じことです。優秀な営業マンがいたとしても、その後の発送、請求書発行、集金など、事務の方々がやってくれるからこそ、営業に特化して行動できるので、優秀な成績を上げることが出来ます。
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だからこそ、サポートしてくれる方に感謝と敬意を払わなければならないですし、さらに成績をあげようと思えば、その方々が「この人に協力してあげたい!」と思って頂く必要があります。その状態になって初めて仕事の幅が広がりますし、能力がまた向上すると考えています。
 
お客様には出来るのに、なぜ出来ないのか?
私は単純に「甘え」だと考えています。仕事だから、同じ社員だから、こっちは必死だから、などという考えがあるからだと思います。
お客様にはこんなこと思わないですよね。
 
お客様がわかってくれない時に、どんな行動をするか。
・わかってもらうように言い回しを変える
・目で見てわかるような資料を用意する
・改めて関係性をつくる
などなど、工夫・改善をします。
 
ただ、社内の場合にはこの努力を惜しんでそれぞれの立ち位置で発言をします。
結果、あの人はわかってくれない、あの人に言ってもわからない、といった関係性になっていきます。
果たして、これで大きな仕事は出来るでしょうか?
もちろん、全て相手に合わせる訳ではありません。厳しいことや苦言も発しなければいけない場面もたくさんありますし、それは言うべきです。
 
ただ、その時も関係性が出来てない相手の話を、そのままの意味で受け取れるでしょうか?同じ言葉でも言われる人によって、聞き入れられることと聞き入れられないことがあると思います。それは、社内営業が出来ていて、関係性が出来ているかどうかだと思います。
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私が社内営業の大切さを痛感したのは、10数年前に転職をした時です。
自分に自信もあり、先輩の言うことを斜め上から聞いて仕事をしていました。当然、先輩方の意見は私を心配して言ってくれていたものでしたが、耳をほとんど貸さずに仕事をしていたので、売上も最悪で、辞める直前まで行きました。ただ、その時もわかってくれない周りが悪いと思い込んでいましたので、改善がなかなか出来ませんでした。気づいたのは、その後中途社員が入ってきて、そのスタッフに教える時に、先輩方と自分が同じことを言っていると初めて気づきました。
 
そこから気持ちを改めて行動して社内で関係性を作り、売上達成や昇格もしましたが、失った信頼を取り返すことに非常に時間がかかりましたので、個人としては勉強にもなりましたが、必要のない時間でもあったと思います。
 
前回は目標について述べましたが、目標達成は独りでできるか?と問われた時に答えはNOだと思います。スタッフの協力があってこそ出来ることですし、協力を最大限に高める必要があります。そのために社内営業が大切だと考えております。
スタッフ間の関係性で悩まれているサロンも多いと思いますので、ぜひ、参考にしていただければと思います。