美容室の市場の動き

2015年の美容室の市場規模は、1兆5,220億円(前年99%)で、5年連続縮小。

■ 市場が縮小中
1999年のピーク時には1.8兆円あった美容室市場は、昨年1.5兆円になりました。さらに市場縮小の中で美容室件数は増えていますので、1店あたりの平均売上は大きく下がっています。一般的には小規模サロンは、前年売上を超えることすら難しい、実際8割以上のサロンが前年割れという状況です。
登録ベースでは22.3万軒、実際に営業しているサロンはおそらく17万軒と言われています。
今後の人口予測では、これから10年後には生産年齢人口 = (お客様になりうる人口)が7,000万人、ピーク時からちょうど2割減ります。
今後も競争がますます激しくなりそうです。具体的な差別化戦略をもっていないと生き残れません。
 
ヘアケア需要が高まっている!
MENU別の売上推移をみると、パーマ、カラー、カットとも前年より売上金額が下がっています。かろうじて微増しているのがトリートメント(約3%)です。
顧客の平均年齢の上昇もあり、ヘアケアニーズは年々高まっています。最近では家電大手が参入し高価格のヘアドライヤーやアイロン、美顔器など美容家電が大きく伸びています。家電業界から見ると美容家電は非常に希少な成長分野とみており、今後も続々と新商品が出てくるはずです。この流れは美容室側では、ピンチでもありチャンスです。お客様の髪の毛、頭皮に対して美容師としてしっかりホームケアの提案を磨いていくべきです。それができないと、魅力的な商品が市場にどんどん出てきますので、ますますセルフケアに顧客が流れていきます。
図1
 
パーマに注目!
リーズナブルサロンの増加、クーポンサイトなどでも割引増加で今後も単価のダウンが予測されます。そんな中、単価が唯一上がっているMENUが「パーマ」です。
パーマ件数の落ち込みで1992年と比べるとパーマ年間売上は1/3になってしまいました。美容室側がすすめたカット&ブローの影響もあるでしょう。平均のパーマの年間利用回数は0.54回。なのに単価がずっと維持・上昇しているのが面白いです。
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レボル直営店では、今だにパーマ比率が30%~40%以上あります。おそらくパーマをしたいお客様はまだまだいるものの、美容室側がパーマをすすめなく、すすめられなくなっているため、価格競争に巻き込まれていないのだと想像します。
パーマ客がいなくなり、ワインディングの技術が失われてしまったら、もうもとには戻れません。値崩れが激しいカット、カラー、トリートメントで勝負するしかなくなります。パーマで差別化し勝っていくために、今一度パーマ技術に注目し、トレーニングセンターを活用して頂きたいと思います。