美容室のロイヤルカスタマーを創出するには!

担当 / 取締役  中村 文男

人口減少や市場の成熟に伴い、新規顧客の獲得は難しくなる中、どのようにして、ロイヤルカスタマー(上位顧客)を創出するかは日本の企業全体のテーマです。

パレートの法則にもありますが、売上の80%は20%のロイヤルカスタマーによりもたらされるとも言われます。
では美容業界においてのロイヤルカスタマーとはどのような顧客でしょうか?
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・競合店、安売り店の誘いに乗らない
・繰り返し来店し、パーマやカラーなどの施術をされ、店販も購入される
・お知り合いの方を紹介して下さる
さらにレボルでは、ロイヤルカスタマーの定義はシンプルに、年間12万円以上を使われるお客様としております。
 
どのようにして、ロイヤルカスタマーを創出するか?
私は、美容室のミーティングにおいて、AさんとBさんの話をします。
⚫パーマをお勧めした時
Aさん;あなたがそこまで勧めるならかけてみるは!
Bさん;以前にもパーマをかけて似合わなかったから結構です!
⚫次回予約をお勧めした時
Aさん;良い状態を維持したいから、その日でお願い!
Bさん;一か月後の予定は分からないから、また電話するは!
⚫ヘアケアとしての店販をお勧めすると
Aさん;今日の仕上がりも気に入ったし、使ってみるは!
Bさん;家にはドラッグストアで買ったモノがあるので、結構です!
 
美容師の皆さんに、『AさんとBさんのどちらのお客様を集めたいと思いますか?』と質問すると、皆さん『Aさんを集めたい!』と言われます。
しかしながら、実際の美容室でのカウンセリングにおいて、カット&ブローのお客様に『どの位の長さにしますか?』などの質問はしても、『今日はトリートメントとしてのオゾンパーマをされませんか?』などの提案をしている事は稀です。
ヘアケアとしての店販を何故しないのですか?と伺うと、お客様の失客に繋がるから!と言う意見を多く聞きます。
 
これは、結果としてBさんに合わせた仕事になっていると思います。
つまり、Bさんを多くする美容室経営を選択しているのです。
 
アメリカの有名な心理学者ウイリアム・グラッサー博士は“選択理論”において、『生まれた環境以外は、人生は選択の結果である。』と言われます。
博士が話した“酒乱の父親に育てられた双子の兄弟”の話しを披露します。
父親は酒乱で、お酒を飲むとお母さんや子供に暴力を振います。お母さんは子供達が小さい時に離婚して家を出て仕舞い、子供達に対する暴力は止む事が有りませんでした。やがて成人した長男は、やはり酒乱になって荒れた生活をしていました。『ナゼあなたは乱れた生活をしているのですか?』とある人が聞くと、『あんな親父に育てられたら、誰だってこうなるでしょう。』と憮然として答えました。
 
かたや双子の弟は家庭内暴力などを専門に相談にのる弁護士になっていました。『ナゼあなたは弁護士になったのですか?』とある人が聞くと、『私は、子供の時に酒乱の父親に暴力を振るわれて、死にたいと思った事もありました。自分のような子供をこれから1人でも救って上げたい!と思い、必死で勉強して弁護士になりました。』 同じ環境に育っても、どの様な考え方を選択するか?で人生は変わると博士は言われます。
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立地が良くない!集客が難しい!スタッフが思うように成長しない!などなど困難な問題を抱えている美容室さんは全国に沢山あります。
それでも、ロイヤルカスタマーであるAさんを多くしていきたいと言う方針を選択するか否かは、最終的には美容室経営者の選択に掛かっているのではないでしょうか!