担当 / 取締役 副社長 平井伸幸
先日、ある理美容専門学校様で、生徒を前に授業をさせて頂く機会がありました。みっちり3時間。合計3回にわたるコースで、初回が外越MGR、2回目が平井、3回目が永澤MGRとなっており、私のテーマは「サロン経営について」です。 セミナー講師の経験が多いのですが、学校の授業枠で、学生に話をするのは、正直初めての経験です。何か、普段とは違う緊張と、楽しみを持ちながら学校を訪問しました。 |
■ 美容学校の厳しい環境
私は、上記とは違うエリアで美容学校の先生の友達がいます。理事長先生にもよくして頂き、話をする機会があります。また専門学校について意見をする委員の経験もあります。
理美容学校とも、少子化の影響で学生をあつめる事が非常に困難になっています。
今年は、教育現場では以前から言われていた「2018年問題」の年です。これは、2018年を目途に18歳以下の人口が減少期に入ることで、大学の倒産や学生獲得戦争が過熱することです。
最近の数年間は、18歳人口は横ばい状態を保ってきました。ですが、人口問題研究所では、2018年ころから再び減少傾向を強め、2018年に117万人になると推計しています。2024年には110万人を切り、2031年度にはついに100万人を切り99万人。減少の一途をたどると考えられています。
先生の話では、以前よりかなり広範囲で、かつ回数多く、生徒集めのための高校訪問や、オープンキャンパス、フォロー活動をしています。他の美容学校との競争、さらには短大・大学との競争の中、学生に大いに魅力を伝えていかなければなりません。差別化も重要です。
このような状況で、美容学校はまさに生き残りをかけて努力しています。その一部が、資格所得だけでなく、真の意味で長く活躍できる生徒の育成であり、そのための外部の活用にあたります。
■ 外部講師で、サロン経営がテーマの授業
そんな中で、貴重な授業枠で話をする機会を頂いた訳ですが、テーマが「サロン経営」。しかも昼食後の午後の時間。
眠くなってしまうのではないか・・・
リアルな経営の話を面白くできるか・・・
将来独立や、経営幹部を目指す人が夢をもてるか・・・
自分なりに準備をしていきました。
「ブロックゲーム」をチーム制で競ったり、「サロン独立シュミレーション」をやったり、なるべく身体を動かし、寝ないように。。。
多くの学生が一生懸命取組み、質問も多くしてくれて、良かったです
■ 美容師のキャリアパス
私は、美容師のキャリアをこのように考えています。
美容学校を出て、アシスタントからはじめる訳ですが、スタイリストとして経験を積んだ後、コースがふたつに別れます。
ひとつは、スペシャリスト(専門職)コース
・スタイリストとして現場で働き続ける
・後輩指導、トレーナーになる
・外部の技術講師をする
・フリーランスで働く
もうひとつは、マネジメント(管理職)コース
・店長、マネージャーなど店舗責任者
・会社幹部
・独立、起業
スタイリスト(技術職)の先に、独立があるわけではありません。ここが多くの学生が勘違いしてしまいます。
独立を目指すなら、スタイリストとして一人前になった後、マネジメントコースの1年生として、もう一度いちから勉強し直さなければなりません。独立をしたいなら、店長までは最低やってから独立すべきです。そうでなければ、競争が激しい中、あまりにも無謀な勝負になり、自分が苦労してしまいます。
その考えから、レボルでは、次期店長のための研修を行っています。福岡と大阪エリアでも月1度研修会を昨年からはじめました。
美容学校の先生は、生徒に対しての愛情が本当に深く、真剣に将来を考えています。親同様の姿勢で、叱咤激励をする姿に頭が下がります。今回、先生と接する中で、このような独立やマネジメントを目指す美容師みなさんのお役に立っていきたいとさらに強く思いました。