美容室は組織マネジメント、管理マネジメントがなかなかうまく機能できません。多店舗化経営では、ここができるかがポイントです。 |
■ ワンマン経営からの脱皮
実力のある美容師がそのままオーナーになる場合がほとんどです。しかし、美容師(=職人)として能力があるのと、マネジメント(=商売人)として能力があるのかは、別問題です。むしろ、「名選手、名監督にあらず」の通り、できる美容師ほど、できないスタッフの事を理解してあげられず、又はチームワークがとれず、オーナーになって苦労する場合が多いようです。
最終的に、独立して1人サロンでやり切るのであればいいのですが、ひとりでもスタッフを採用したら管理マネジメントが必要になります。
■ 管理マネジメントのポイント
組織化する=管理マネジメントが必要。それには、いくつか原則があります。
1)目的統合化の原則
・仕事を通じて組織目的と個人目的の両方が同時に達成される。
・組織内の調整をはかる。
2)職務分担の原則
・仕事を分担して専門化を追求するか、関連する仕事をまとめて与えることにより仕事の満足感を与える。
3)権限と責任の原則
・権限の移譲を行って、大きな仕事を行う。
・権限を移譲しても、結果責任は残る。
4)命令一元化の原則
・命令は一元的に1人の上司から行う。
・ライン部門(現場)とスタッフ部門(事務・本部)の調整
5)監督範囲適正化の原則
・1人の上司が監督できる部下の人数には適正な範囲がある。
(サロンスタッフでは8人程度)
6)管理の階層適正化の原則
・階層はできるだけ少ないほうが良い。
・肩書(ステイタス)と職制(ポジション)を区別する。
7)モラルとモラール高揚の原則
・企業のモラル(道徳性)を高める。
・従業員のモラール(意欲)を最大限に高める。
8)標準化の原則
・仕事を標準化する。
9)システム化の原則
・専門化、標準化を組み合わせて、全体として効率化をはかる。
10)能力開発の原則
・適材適所で、従業員の能力をフルに引き出す。
■ 業績を上げているサロンは、何をしているか?
多店舗化していて、業績がUPしているサロンの法則です。
1.一つの意思として動く統一体となっており、チームワークがすぐれている。
2.理念、方針、目標が的確である。
3.各部署の責任体制が明確である。
4.人材の適正配置が行われている。
5.トップのリーダーシップがすぐれている。
6.命令、実行、報告がスピーディーである。
7.組織に対する帰属意識(誇りと忠誠心)が強い。
ワンマンでないと会社は大きくなれません。しかしある一定規模になると、ワンマンでは成長できません。管理マネジメントがさらなる成長のカギです。