低価格戦略の美容室に打ち勝つ

担当 / 代表取締役 社長   橋口 禎友

美容業界にも他業界からの参入が本格化?こんな美容室が近くにオープンしたらどう捉えますか?

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■ 丸亀製麺が美容室に参入
新規客集客も固定客化も厳しい時代に突入しているにも関わらず、うどんチェーンで有名な丸亀製麺(トリドールホールディングス)が美容業界に参入してきます。
ヘアカラー専門店のFast Beauty(ファースト ビュティ東京渋谷)と資本業務提携し、2017年度中に駅前・ショッピンセンター・郊外の幹線道路沿いに、20店舗~40店舗を展開予定という発表がありました。
ターゲットは40歳~50歳代の女性を中心に集客し、ファーストビュティのヘアカラー専門店「fufu」は美容室の半額程度の2,000円台で白髪染めが出来る手頃な料金設定です。
■ライバル店に顧客をとられるお店、失客しないお店
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このニュースを見てニヤニヤしてしまうオーナーと危機感を感じるオーナーとに分かれるのではないでしょうか?
ニヤニヤしてしまうサロンは日頃からお客様にしっかり提案し、料金もそれなりに高い(6,000円以上)が、お客様に感動を与え続けてられているのだと思います。
逆に、提案無しにちょっと低めの価格設定(4,000円前後)、言いなりで何処の美容室とも大差ない仕上げでお客様をお帰ししているサロンは危機感を感じるはずです。接客で話す内容は世間話し中心で、話が尽きると週刊誌等を与える・・・お客様のキレイになりたい気持ちはそっちのけ。そんなサロンで美容師にもっと提案した方が良いのではと話すと、『うちのお客様は色々提案すると嫌がり、いつもと同じで良いわよ言われるんです。』と答えられます。
でも考えてみましょう。本当にいつもと同じで良いのでしょうか?
人間生まれて18歳位が皮膚や髪の毛はピークを迎え少しずつ劣化していきます。特に40歳代当たり位から個人差はありますが日々劣化して行きます。
このエイジングの悩みをもつお客様にいつもの通りと言われ、その言葉を鵜呑みにして施術して帰す。これを繰り返しているとそのお客様は、ある日突然周りの友達・知人・家族等から
・髪の毛が薄くなったんじゃない?
・白いものが増えた?
・ボリュームが無い?
等を言われ、そのある瞬間から急に気になり出しはじめます。
当然、行きつけのサロンに行きいつものスタイリストに悩みを相談するでしょう。その時に、『そんな気にする事無いですよ』レベルで答えられたら、お客様は安心するより身近な友達の言葉等がインプットされていますので、『あぁーこのスタイリストは私の事を真剣に観ていないな』と思い込み、ついには他の店を探し出す、これが失客の始まりです。この手の失客は実際にアンケートを取っていますがとても多いです。
スタイリストはお客様を担当し始めたら、そのお客様が亡く成られるまでキレイに成るお手伝いをしていく覚悟で接していかないとお客様にアドバイスする時、時には厳しい事をお伝えしなければ成らない時に言えない自分がいます。
この美容師としての自分自身の意識の問題を解決していけば周りに安売り店が出て来ても心配は要らないと思います。
■ 低価格戦略のサロンに打ち勝つ
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また、ライバル店について、もう少し考えなければ成らないのが、ただの安売り店なのか?戦略的に低価格を売りに出しているお店は要注意ですね。何故か?低価格にしてもしっかり利益が出るような仕組みになっているからです。
この低価格サロンにも打ち勝つにはやはりスタッフの教育がとても重要になってきます。もうすぐ春がやって来て若い人達が動き始めます。新人スタッフも新しく来店されるお客様も教育が必要だと思います。厳しい時代に入った時ほどあわてずに教育に力を入れるべきです。