ディズニーから学ぶ 集客と単価

ディズニーが先月から入園パスポートを値上げ、年間来場者数を大幅に減らす計画はなぜ?

■ 絶好調なディズニーの取り組み

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レボル社員にもディズニー好きがたくさんいます。
若い美容師が多いですが、中には年に4~5回行くというとスタッフもいて驚かされます。リピーターに飽きさせないテーマパークの改良、価値向上を常に行い、固定客を増やし続けているからなのだと思います。
投資という点では、トイ・ストーリーマニアの大型アトラクションに続き、昨年には「ジャングルクルーズ」のリニューアルや、TDSで水上ショーが行われる「メディテレーニアンハーバー」の鑑賞環境の改良、「マーメイドラグーンシアター」のリニューアル、さらにTDLのリロ&スティッチの新アトラクションなどに着手。
さらに先月の発表では、2020年までに2,500億の投資を行い、「美女と野獣アトラクション」、「ベイマックスアトラクション」など大型のアトラクションを導入や、毎年なんと300億円の園内改修を行うということです。
このようなハードの投資に加え、接客力、ブランド力といったソフトの価値向上を行いるのがディズニーの強みです。
 

■ 3年連続値上げの狙い

ディズニーの来場者数は、2015年度3,019万人で3年連続3,000人超え、ただ前年度に人気イベントがあった変動で前年比では4%減になって伸び悩んでいるように見えます。 しかしこの客数減は意図的に行っているものと思います。以前よりディズニーは2700万~2800万人が、適正な来場者数(=入園客に高い満足を与えられる現在のキャパシティ)ととらえており、実際ここ数年は同程度の来場者数を予定しています。 それは、混雑日が増えて満足度が落ちることを気にしているからです。パークの許容量を上回る集客は、短期的には利益増になりますが、長期的に客足が遠のく懸念があります。リピーターが90%以上をしめるディズニーは満足度を高めることが集客力を維持する要です。
4月から3年連続となる入園パスポートを値上げしました。ほぼ全券種ですが、大人1日パスポートは6,900円から7,400円に500円値上がりになっています。
これ以上待ち時間を短くしたり、混雑を緩和したりするためには、もはやチケットの値上げで来場者を減らすしかないのです。
そして、将来的には「恒常的に3,000万人以上の来場者」にするため、再開発エリア、新テーマポートの建築など大規模な投資計画を発表しています。
 

■ 美容室の無計画な集客は命取りに

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美容室のおかれる現状はどうでしょうか?
ほとんどの美容室ではスタッフ不足に陥っており、1日にこなせる客数が減っています。でも売上ほしさから、特に土日など無理してでも詰め込んでしまい、お客様が待たされています。
美容室もディズニーのようにほとんど、リピーターです。
ハードではなく、スタッフ数がネックになる場合が多いです。許容量を考え既存客の満足度を下げないオペレーションは非常に重要だと思います。売上ほしさで客数を取りに行き、結果将来の客数を失うことを気づかずやってしまっているのです。
ホットペッパーの新規客をとって、既存客が待たされる光景、よくありませんか? 差別化の点から、予約不要の美容室が増えています。新規・フリーのお客様を取り込みやすいです。 しかし、レボルは固定客を中心にしますので、次回予約を優先し、顧客満足を下げないオペレーションとタイムアップが重要と考えます。
この点は地味ですが経営上大変重要だと、「客数を下げてでも顧客満足を取りに行くディズニーの取り組み」からじっくり考えさせられました。