テーラー&ブティックの衰退から美容室の顧客満足を考える

担当 / 代表取締役 橋口 禎友

30~40年前は、紳士服も女性用の服でも個人(ブティック)の洋品店が流行っていた時期が有りました。私自身も川口に3店舗あるテーラーでスーツ等を買っていました。久しぶりにそのテーラーの前を通ってビックリしたのは、相当に寂れていてつくづく時代の流れを感じ、時代に乗らないとこうなるのかなぁと寂しく成りました。

 
この30年間位でメンズもレディースも、売り方・買い方が「かなり変わって来ました。メンズに置いては、安さを売りにした紳士服の青山・紳士服の青木・コナカ・はるやま等が、全国展開をやり始めて個人店が軒並み閉店を余儀なくされました。

 
個人店の良さはお客様としっかりコミュニケーションが取れ、品物も良く、着心地の良い仕立てを強みに評判を取っていましたが、欠点として時間がかかる・値段が高い等があり、大型店はその欠点をカバーすべく裾上げは20分位でやってくれ、オマケに個人店で買うお金を出したらもう一着が買える値段。これにはスーツを必要とするサラリーマンの人達がこぞって大型店で買うように成りました。この図式は30年間殆ど変わっていません。
 
美容業界を見渡せば、
・美容室に行くと半日?下手すると混み具合によっては一日がかり
・やって貰おうとしたメニューがやって貰えない、行って視ないとできるか判らない
・その上高い
 
この隙間を突いて、カットだけに注力して登場したのが、QBハウス等の1000円カットサロンですね。1000円カットサロンで自分の好きな時に、身近な場所で、時間もかからず、オマケに安い事がウケて大ヒット。
ここ20年間右肩上がりで伸びています。我々個人店が1000円カットのやり方をすれば殆ど失敗すると思います。何故か?

 
1000円カットサロンは低価格戦略の元でやっています。
市場のニーズがあり成功しています。やっている事がとてもシンプル。
お客様の時間を大切にする。1000円ポッキリ、そしてサロン側も利益が出る仕組みになっていますので、人が集まりやすい場所に出店し、お待たせする事無く、待つ場合でも自分の番になるのにおおよその時間が判るからお客はイライラせずに済み時間を有効に使える。
それに引き換え美容室は、この辺りの件に関しては一歩も二歩も遅れていると思います。この遅れる事をプラスにする何かがないとお客様はリピータにはなってくれません。
 
カラーやパーマ・トリートメントはカットサロンでは出来ないです。時間はかかるけど自分の想い通りに成るようにしっかり悩みや好み等を引き出してくれ、思った以上の仕上がりになり、スタッフとの会話も楽しいこの様な状況を作れればお客様
はその価値を理解した分だけ時間とお金を提供してくれると思います。

お客様がとても時間を大事にする時代に入って久しいですが、同じ時間を過ごすので有れば楽しい空間創りが最重要課題になって来ます。
空間創りに大切なのは内装も大切ですが、やはり中で働くスタッフが一番重要だと思います。
それにはスタッフ教育が一番大切になって来ます。