美容室のメンタルヘルス

担当 / 取締役 副社長 平井 伸幸

とある美容学校の外部委員としてミーティングに参加しました。その会議で美容学校生徒のメンタル面の問題が重要テーマになっていました。

■ スタッフのメンタルケアが、美容業でも重要課題に
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外部委員として会議に参加している美容学校様の議題で、「新卒者が勤務をはじめてメンタル面の問題が起きた場合、それらの回避策および解決策をどうしているのか」というテーマがありました。
美容師をより長く働ける仕事にと思っていますので、個人的に関心高いテーマです。他の企業の経営者や人事担当者の方の意見も聞けて勉強になりました。
他業界でブラック企業がニュースに出ることが多くなりましたが、美容室でもスタッフのメンタルヘルス、メンタルマネジメントをやっていく時代になっているのだと感じました。
また、美容学校の先生は、生徒に対して愛情が本当に深いので、自分の教え子を信頼できる企業に就職させたいと考えています。超売り手市場の新卒採用で今まで以上に企業スタンスをみられています。
今いてくれているスタッフが長く働けるため、新たな人材採用のため、コンプライアンス厳守のため、美容室オーナーには変化への対応が求められています。

※ポイント① メンタルヘルスとは・・・精神面における健康のことである。精神的健康、心の健康など主に精神的な疲労、ストレス、悩みなどの軽減や緩和とそれへのサポート、メンタルヘルス対策で使用されます
※ポイント② 2015年12月施行の「ストレスチェック」とは・・・「労働安全衛生法」の-部が改正され、企業にとって、職場のメンタルヘルス対策としてストレスチェックの実施が義務となりました。従業員のメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことを目的とし、専門家(医師、保健師など)によるストレスチェック1年に1回行うことが義務付けられます。ただ、従業員50人以上の事業所対象ですので、ほとんどの美容室では当分の間努力義務となります。

早めの気付きと、人間関係のマトリクス化
美容室経営と美容学校の先生と話しで感じたポイント
ひと昔のように徒弟制度で休みなく働く時代ではなくなっています。また独立モデルが崩壊しており、いつかオーナーに、いつか稼ぎをいくら以上に・・・のような明確な夢をもつ若い美容師の卵が、相対的に減っています
美容師が離職する原因の1位は「人間関係」、2位は「理想とのギャップ」です。特に1年目は、思い描いていた美容師像と、現実のギャップに悩みあきらめてしまう美容師が大変多いです。
なだ悩みが小さい内、早め早めに不安やストレスを周囲が聞いてあげ、アドバイスをしてあげる環境があることが大切です。進行し、重度のストレスになっている場合、手遅れで退社というパターンが多くなります。
また新卒生から見て、年の離れた先輩、店長、ましてやオーナーともなると、本音で(しかも、まだ小さい内から)自分の不安を相談するのは難しいことです。同期、1・2つ上の先輩、友達・家族こういったコミュニティが支え合え、悩みを聞き出せると、ある程度の悩みは乗り越えられると考えます。
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レボルの取り組む「美容師のメンタルヘルスケア」の事例
内容が内容だけに、レボルでもできていると自信を持って言えるものではありません。が、美容師が生涯の仕事になるよう常に努力はしていこうと思っています。自社のメンタルヘルスケアの取り組みを紹介します。
①内定者は全員家庭訪問に行っています。親御さんに直接会って、会社の考えを伝えること、美容師の仕事を理解いただくこと、お子様が(特に1年目)めげそうになったら支えてあげてほしいことをお願いしています。
②新卒入社は全員、最低1年は会社寮(ルームシェア)にしています。同期や1年上の先輩とルームシェアで生活することで、プライベートも含めて親睦を深め、不安や不満を相談する関係性になるように期待しています。
③入社から3ヶ月は研修期間として全員「トレーニングセンター所属」にしています。店舗配属後も、毎月同期を集めるアカデミー等フォローをします。
④最低3ヶ月ごと店長による個別面談(評価)があります。そこで”早めに”問題点に気づき解決できるようにします。
⑤深刻な場合は、医師の診断を受け、休業させ実家に帰します。
 
これをしておけばというモノはなくても、周囲に早め早めに相談できることが、不安やストレスの解消、モチベーションを維持につながっていると思います。
今後もスタッフが活き活き働ける会社であるため、努力していきたいと思います。