美容室の海外出店 中国、上海の視察

担当 / 取締役 中村 文男

15年前から、現地で工場を経営している友人に案内してもらい、成長著しい上海に初めて行ってきました。今回は海外(中国、上海)に視察に行って感じたことを書きます。

 
日本から見ているのと違いを感じたのは
 

  • 空気と街が綺麗

PM2.5が心配でしたが、日本と同じくらいに空気が綺麗でした。また、街も綺麗に清掃や、整備されているところが多かった。
 

  • 高層ビル郡が凄い

世界2位の上海タワーは128階建てで高さ632m。上海森ビルは101階建てで高さ492mなどが浦東地区に林立していて、日本を遥かに凌いでいる。
 

  • キャッシュレス化

Wechatペイやキャッシュカードなどで、ヨーロッパ以上にキャッシュレス化が進んでいて、殆どの人がスマホで支払いを済ませている。
 

  • CO2対策が進んでいる

電気自動車は税金が100万円位安くナンバープレートが緑色で、3分の1位なっている。また、電動バイクが殆どで、これらも排気ガス対策になったおり、PM2.5を減らす働きをしている。
 

  • マナーも良く、反日を感じない

地下鉄に乗る時に行列したり、電車内においても、日本と同じ様にマナーが守られていた。そして、反日の印象は持たなかった
 

  • タクシーや自転車のシステムが進んでいる

タクシーはスマホで呼んで、事前に料金が分かるシステム。また、自転車は通信機付きのレンタル自転車が主流で、どこでも乗り捨て可能になっていた。
 
弊社は、数年前にベトナムのホーチミン市に直営店を出店していたため、私も応援で5回ほど渡越していた。そのホーチミン市のイメージで上海に行ってみて、バイクや自転車の少なさと、高級自動車の多さに驚いた。
また、一般の人の収入は日本の約半分位の水準に上がってきているそうです。それで製造原価が上がってしまい、中国で製品を作り、日本に輸出するのは難しく成って来ているようです。
 
上海市の人口は2400万人ですが、在留邦人は6万人前後で10年位横ばいだそうです。何軒か美容室やエステサロンを見学しましたが、日本人の居る地区は限られていて、日本人相手の美容室も飽和状態のように感じました。
 
さて、実際に上海に来てみて、日本で描いているイメージとの違いを1~6に書いたように実感しました。これは、テレビや雑誌では知り得なかった事です。改めて自分の目で見て、体験を通して感じることの大切さを感じました。
 
しかしながら、14億人の人口があり、GNP世界2位の成長著しい国なので、美容室出店や商材の販売にチャンスが有ると考えるのは、早計であると思います。
友人の会社は15年前に起業し、中国の国民性や文化に違いに悩まされながらも、彼の会社の技術の素晴らしさと、中国経済の成長の波に乗れたので、ここまでは発展出来た。これからは、まだまだ未知数であると言っていました。
 
ベトナム・ホーチミン市の弊社直営店を、これから人口も増えて成長する国。勤勉な国民性などの観点から出店しました。けれども、国民性の壁や人材確保の難しさなどで、撤退せざるを得ませんでした。
 
上海においても、日本以上に発展している点や市場規模の大きさは魅力的ですが、国民性の違いと文化の壁を十分に考慮しなければならないと思います。
 
ホーチミン市や上海市を視察して、改めて感じるのは、言葉が通じ、同一文化で考え方が通じ合う日本国内において、業績を伸ばす手段はまだまだあると思うのです。
 
例えば、パーマ客を増やしたいと言う課題があるとして、1年を通して、真剣にワインディングの練習をしているサロンさんはどれだけ有るでしょうか?
 
レボルは30年前から毎年ワインディングコンテストを開催しておりますが、参加される方が年々減っております。もちろんお誘いする弊社スタッフの情熱不足にも原因はあると思いますが、『隣の芝生は青く見える!』と海外に活路を見出そうとしたり、安易な手法に頼りがちな美容師さんが多くなっているように感じます。
 
是非とも、お客様の満足の為に、美容師さんがどのような技術や接客を磨くべきか、地に足をつけて一つずつ実践しては如何でしょうか!